自由度の高さが魅力

個人事業主エンジニアの社会的な役割はいくつかある。代表的なものの一つに、企業ではプロジェクトとして成立しないような斬新かつ奇抜なアイディアを形にするというものがある。たとえば、今までなかったタイプの挑戦的なゲームソフトやビジネスツールを作る役割である。企業は営利活動をする集団なので、儲からないと思うことには積極的に挑戦をすることができない。

その点、個人事業主エンジニアは自由度が高い。最低限の年収を確保しさえすれば、後は自分の思い通りに仕事をしていけるからだ。損得に関わらずに自分が面白いと思ったアイディアに自己投資をすることもできる。時間とコストを挑戦的なことに注ぎ込むことができるのは、こうした人達ぐらいである。企業にはそれだけの余裕がないし、企業でそんなことをすると他の社員や上司、株主に叩かれてしまうこととなる。普通は安全なことしかできないので、その穴を埋める役割が期待されているのだ。

個人制作のものでもアイディアさえしっかりしていれば、製品やサービスとしては十分に成立をする。その後、企業が同じようなことをして道を広げていくのはもちろん悪いことではない。失敗を恐れる必要が企業ほどではないので、個人事業主エンジニアには業界のフロンティアとしての役割が期待されているわけである。

他にも、ヘルプ要員としての需要も高くなっている。仕事が納期に間に合いそうもないときには、フリーランスの人材を集めて人海戦術で仕事を終らせるのだ。世の中に正社員ばかりだと、こうした人材の使い方は基本できなくなる。

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